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2024.03.02

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目の色

 眼の表面に角膜という透明な窓があり、そのすぐ後ろに水晶体と呼ばれるレンズがあります。瞳は、眼球の中が暗いために黒く見えますが、フラッシュ撮影で強い光が眼球に入ると目の奥にある網膜が照らされるので、それが水晶体を通り赤目として見えるわけです。

 水晶体は無色透明ですが、加齢とともにその透明性が失われて、徐々に曇ってきます。黒い瞳は白っぽくなりますから、外からは網膜が見えづらくなり、本人も外の風景が見えにくくなります。これが白内障という病気です。

 日本語の病名では、高血圧症など病状を表すのに「症」という字が使われることが多いのですが、白内障は視野を妨げるように支障を来たすことから、同じショウという発音でも「障」の字が使われています。高齢社会になり、かなり増加してきている疾患ですので、白内障と診断されたからといって、「目を白黒させる」ほどビックリすることはありません。治療すればきちんと治ります。

 ちなみに網膜は全身の中で唯一、血管を直視下ではっきりと見ることができる場所になります。ですから糖尿病や動脈硬化症などでは、その病状を網膜の血管で確認することができるのです。目は口ほどに病状を言うわけです。

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