NEWS

2023.02.16

ブログ

オールド・パー

 1842年に出版された本に、古代や近代の高齢者列伝を表したものがあります。その中の一つに、トーマス・パールThomas Parrについての記述があります。

 彼は、スコッチウィスキーのラベルで有名なオールド・パー、その人です。パールはイギリスの田舎町の農夫で、152歳9か月で亡くなりました。高齢になっても非常に元気で、120歳で未亡人と結婚し、130歳まで仕事をしていました。

 この噂を聞いたある伯爵が、彼をロンドンに連れていき、毎日豪華なご馳走を食べさせました。するとパールは、なんと1週間で死亡してしまったのです。これが1635年12月16日です。彼の解剖を担当した医師は、全ての器官が健全であり、死亡の原因として考えられるのは、普段食べ慣れていない贅沢な食事を摂ったことではないか、と述べています。

 かなり古い話ですので、年齢についてはどこまでが信頼できる内容か分かりません。しかし、日頃慎ましい生活を続けていたことが彼の長寿の一因であったこと、カロリーたっぷりの豪勢な料理を摂取し続けるのは身体によくないということ、この二点をうかがい知ることができる話です。

一覧を見る