NEWS

2024.01.07

ブログ

ホジキンの生涯

 リンパ腺に発生する悪性腫瘍を「悪性リンパ腫」と言い、これはホジキン病と非ホジキン病という2つの種類に分けられます。この病名は、疾患を初めて報告したイギリスの医師ホジキンThomas Hodgkin(1797-1866)の名前に因んでいます。

 ホジキンは21歳の時、有名なロンドンのガイ病院で医学を学び、欧州大陸に渡って医療に従事しました。ロンドンに戻って病院勤務をしていた36歳の時、腋や頚部、鼡径部のリンパが腫れる原因不明の病気に遭遇し、これを学会に報告しました。しかし周りからは全く注目されず、その後23年間この報告は日の目を見ることはありませんでした。1856年、ヴィクトリア女王の侍医がこの病気の重要性を認めたことから、初めてホジキン病と呼ばれるようになったのです。

 晩年になりホジキンは、アメリカのインディアンや黒人を守る原住民保護協会に入会しました。また積極的に世界各地を訪れ、慈善事業にも情熱を注ぎました。1866年の旅行中にコレラに感染し、エルサレムの町で亡くなっています。68歳でした。

 彼が学んだガイ病院の紋章には、「人より受けたものを人に与えなさい」と書かれています。ホジキンは生涯、この言葉を大切にしたと言われています。

一覧を見る