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2023.05.07

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点字の開発

 現在では駅やデパートの案内板に、点字が加えられているのが普通になっています。点字のことは英語でブライユbrailleと言いますが、実はこれは人名です。

 ブライユLouis Braille(1809-1852)は、パリ近郊で生まれました。3歳の時、馬具職人であった父親の工房に置いていた錐(きり)で、誤まって片目を突いてしまいました。治療の成果はみられず、傷は感染してもう片方の目も失明してしまったのです。

 彼は10歳でパリの盲学校に入学しました。図書館には、文字をそのまま盛り上げ、指で触って読むという本がありましたが、持ち運びできるような大きさではなく、実用的ではありませんでした。そこでブライユは、軍隊が使用していた「点」による文字に改良を加えて使えないかと考えました。そして16歳となった1825年、アルファベットを縦3行横2列の6つの凸点で表記する方法を完成させたのです。今から約200年前のことです。この6点式点字は、彼の死後2年の歳月を経てようやく世界の盲人用文字として発展していきました。

 日本の点字においては1890年、盲唖学校の教師であった石川倉次が、ブライユ式点字から50音式の翻訳したものが公認されました。ここから日本語盲点字がスタートしたのでした。

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