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2025.06.27

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トルストイの非暴力

 ギリシャの哲人ソクラテスの妻、オーストリアの作曲家モーツアルトの妻、そしてロシアの文豪トルストイの妻たちは、不名誉なことに「世界三大悪妻」と呼ばれています。

 そのトルストイ(1828-1910)は、世界中を感動させた「戦争と平和」「イワンのばか」という二大名作を世に送り出したことで有名です。1862年にソフィアという女性と結婚したのですが、いつも争いを繰り返していました。彼が一言いうと、夫人は何倍もの言い返しをするので、争いは年とともに深刻化していきました。

 そして彼が、自分の財産を捨て去ろうとしたことで妻が逆上したため、ついにトルストイは82歳になって家を出ました。朝一番の汽車に乗って、そのまま行方不明になっていたのですが、その後リャザン鉄道の小さな駅の駅長官舎で亡くなりました。死因は、急性肺炎ではないかと言われています。

 トルストイは非戦論者で、非暴力主義を唱えていました。もし彼が好戦的な考えの持ち主であったなら、妻との間にドメスティック・バイオレンスの問題が起こっていたでしょう。彼は最後まで安らぎを得ることができませんでしたが、自分の主義を貫き通したことになります。

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