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2022.03.01

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日和見(ひよりみ)

 通常は病気を引き起こさないのに、免疫力の低下した人や手術後の患者さんなどに感染すると、途端に悪さをする菌があります。有名なのは緑膿菌、大腸菌、セラチア菌、MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)などです。これらの菌による感染は日和見(ひよりみ)と言いますが、この病名を付けたのは順天堂大学の池本秀雄教授です。元々は「空模様を見る」という意味なのですが、なぜこの言葉が使われたのでしょうか。

 豊臣秀吉は、明智光秀と山崎で対戦することになりました。この時、光秀の重臣であった筒井順慶という人が、戦況を十分に視察してから、劣勢であった光秀を裏切り秀吉の味方になったのです。これにより、光秀は負け戦になりました。この話から、形勢を見極め都合の良い方に味方することを「日和見主義」というようになりました。池本教授は、普段はおとなしいのに弱い相手に対して暴れる菌を卑怯者と感じたのでしょう。

 日和見感染が起こらないようにするには、免疫力を高めることです。十分な睡眠や休養を取る、バランスの良い食事を摂るなどの配慮が重要です。一旦感染症状が出ると、抗生物質の効きが良くない菌が相手になりますので、治療が大変になるのです。

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