NEWS

2023.10.31

ブログ

時差症候群

 新型コロナウィルス感染症がようやく落ち着きを見せ、海外旅行に出かける人も急速に増加しています。

 睡眠障害の国際分類によると、海外旅行で経験する時差症候群(ジェット・ラグ)は、「子午線を通過する2時間以上の時差帯域への高速移動により生じる一過性の不調和状態」とされています。その原因は、睡眠不足や到着地の明暗リズムと体内リズムのずれと言われていますが、発症には年齢や性格などの因子も関与します。しかし最も重要なのは飛行方向になります。

 欧州方面への西方飛行と比較して、米国方面への東方飛行の方が時差ボケの症状は顕著になります。これは東方飛行での到着地の夜間が日本の午後の時間帯に当たり、睡眠の中断が起きやすく、西方飛行では到着地の夜が日本の早朝に相当することが関係しています。

 時差症状を少なくするためには、東方飛行では到着日の午前中は太陽に当たらないようにして仮眠をとり、現地の午後(日本時間の早朝)に屋外で太陽を浴びるようにするといいでしょう。西方飛行では現地到着の午後に外出を心掛け、太陽を浴びるようにします。また機内や現地での過度のアルコール摂取は良好な睡眠を妨げ、時差症状を悪化させる可能性が高いので注意しましょう。

 時差が少ない地域への渡航では、睡眠よりも疲労の影響が強いため、機内や現地での十分な睡眠や休息が重要になります。

一覧を見る