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2022.11.16

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愛の手術

 腰椎椎間板ヘルニアという病気を世界で最初に報告したのは、ミクスタ(Mixter)先生とバー(Barr)先生で、1934(昭和9)年のことでした。その後、この病気は徐々にクローズアップされ、外科技術の進歩で手術治療も可能になってきました。

 手術法にはいくつかありますが、最も普及していた方法を、日本では最近までラブ(Love)法と呼んでいました。しかしこの呼び名は、実は日本でしか通用しない言葉です。

 ラブLoveは人の名前で、彼は1944(昭和19)年に論文を書いています。この内容は、日本でも目に止まるようになりました。昭和30年代になると、学会でラブ法と言われるようになり、おそらくここから広まっていったと考えられます。言いやすくて印象に残る言葉だったことが、普及した要因であったのでしょう。

 ラブは「愛」という意味が一般的ですから、国際学会で海外の先生に「ラブ法」と言うと、変にニヤニヤされて明らかに勘違いされていることがわかります。現在では「ヘルニア摘出術」などと言われています。

 タイトルから、もっとロマンチックな話を期待された方々、大変申し訳ありませんでした。

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