2025.06.12
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歴史上の人物で、強い腰痛に悩まされたことで有名なのは藤原家定(1162-1241)です。家定は鎌倉時代前期の歌人で、若い頃から歌才を発揮しました。歌風は妖艶であり、特に恋の歌には優れた作品が多くみられます。
彼の日記によると、家定はまず38歳の時に激しい腰痛を経験しています。その後もしばしば激痛を繰り返したため、焼いた石で患部を温める温熱療法や、温泉治療を行っていました。
しかし42歳の時の発作は、腰痛に伴って下腹部の痛みがあまりにも強いことから、もしかしたら尿管結石があるのではないかと、自己診断しています。当時の医療水準から考えると、この洞察力には実に素晴らしいものがあります。実際に4日後には、結石が排出され症状が劇的に改善し、日記にはその時の気持ちを「心神すこぶるよろし」と記載しています。
家定は晩年にも、繰り返す腰痛に悩まされていますが、これが結石の再発によるものかどうかは分かりません。70歳を過ぎると、視力低下、下痢や咳嗽、手足の関節痛など、多くの症状を併発しましたが、「土佐日記」の書写には執念を燃やし、80歳で天寿を全うしています。
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