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2025.01.31

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アスピリンの歴史

 外国のドラマや映画では、登場人物が頭痛を抑える時に、常備薬であるアスピリンを服用するシーンがみられます。アスピリンとは、アセチルサリチル酸の商品名になります。

 アスピリンの歴史は古く、2300年前には柳の樹皮を煎じて飲むと熱が下がったという記録があります。1838年には、植物から有効成分であるサリチル酸が抽出されました。ドイツでは、スピーレと呼ばれる植物からの抽出物であったことから、スピール酸と呼ばれていました。1853年に、さらにここからアセチルサリチル酸という物質が生成されたのです。

 ドイツの製薬会社の研究員が、関節リウマチの父にこれを飲ませたところ、副作用が少なく、炎症を鎮めるのに有効であることに気付きました。そして実験を重ね、この成分を人工的に合成することに成功したのです。物質は、ドイツでのスピール酸という呼び名と、天然ではないという否定の意味での「a」を合わせて、アスピリンaspirinと命名されたのでした。

 あまりにも有名な薬になってしまったため、アスピリンという商品名が正式名になってしまうという、他の薬では見られない現象を生じてしまいました。

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